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−CPD制度や専攻建築士制度に関する会員の方々の疑問についてQ&A形式で紹介します− Q1 専攻建築士制度は,自らの仕事の範囲を狭めるような制度だと思いますが,なぜ,そのような制度を始めたのですか?
A1 建築士制度は,現状の建築士法によるもので十分という意識があると思いますが,医師会の動向を見ると必要性が良く解るのではないでしょうか。 医師会では長い間,専門医制度に反対してきました。しかし,相次ぐ医療事故に対抗しきれず,現在では,専門医の証書を患者に提示したり,名刺や看板に記載することが許され,患者はそれを見て医師を判断しています。 弁護士会も同様に,専門性をPRしないと市民は相談に来てくれない状況のようで,情報開示を求める市民の意識は変わってきています。 これまで,建築士であれば何でもできると言ってきましたが,自分を守ろうとする議論ばかりでは社会に通用しなくなっています。これからは,自らの専門分野を積極的に表示したうえで,業務を受注したときは,設計専攻のほか,構造・設備・生産専攻が連携して建築するから良いものができると,その体制を明示することで消費者の信頼を得ることができるのではないでしょうか。 Q2 専攻建築士のメリットとは,どんなことですか? A2 公共工事の発注に関連し,入札参加要件や経営審査に加点されるなど,業務の受注につながっているケースは,現在のCPD制度でも実例があります。専攻建築士も同様に評価が得られるものと考えています。 専攻建築士の認定申請をするかどうかは,本人の判断によりますが,社会からそのような要請があれば,建築士という資格者や建築士会という職能団体として,これに応える体制を整える姿勢が必要ではないでしょうか。そのことがメリットへ とつながるものと考えています。 Q3 専攻建築士の審査が実務と研修で行われるのは,どうしてですか? A3 専攻建築士を社会に明示する場合の基本は,建築士としての職能者としての実務評価がもっとも大切なポイントだと考えています。これに対し研修のCPD単位は,実務を補完する役割を担うもので,CPD制度の単位や専攻建築士の認定に当たって実務と研修を併せて取り入れることとしたのは,先行するAPECエンジニアの議論の中で,諸外国の資格制度との同等性を勘案すると実務・研修の双方が必要性であるとの考え方にならったものです。 Q4 専攻建築士とは,どの程度のレベルの建築士と考えればよいのでしょうか? A4 専攻建築士のレベルはというと,例えば設計が上手いか下手かの評価ではありません。そのような評価は,その建築士の過去の仕事ぶりを見て評価されるものですから,確かな実績を上げている建築士であれば,社会からも信任を得ていると見ることができると考えています。 また,建築士には,1級,2級,木造の区別があり,建築士法で業務範囲を定めていますが,専攻建築士はこれをベースにしており,責任を持って引き受けられる建築士であることを,一定の実績と経験を経ることをもって客観的に証明しようとするものです。 Q5 2級建築士は免許取得後15年以上ですが,1級のほうは,まだ15年を経過していません。専攻建築士の認定申請は,1級と2級で違いがありますか? A5 専攻建築士制度では,級の違いは建築士法により既に整理されているという前提です。1級や2級のような区分は登録証やカードに表示されるため,上位の級での申請をお勧めします。 なお,1級を取得して15年を経過していない場合は,データ登録済みのCPD単位が規定(H18:50単位,H19:100単位,H20:150単位)以上である必要があります。 Q6 CPD制度への参加者や専攻建築士が転職や転居した場合,CPDの取得単位や専攻建築士の登録はどうなりますか?また,建築士入会前のCPDのバーコードシールは有効ですか? A6 転居や転職により所属建築士会が変わってもCPDの単位や専攻建築士の登録が無効になることはありません。ただし,既に登録済みのバーコードを読み取るため,再度,CPD手帳を提出頂く場合がありますので,ご了承ください。 また,建築士会に入会する前に取得したバーコードであっても,有効期限内(前の年の1月1日以降)のものであれば,データ登録が可能です。 Q7 専攻建築士は専攻領域ごとの特性に応じて必須単位や専門講習のようなものはないのでしょうか? A7 現在は専攻領域による必須の講習や単位取得の仕組みは採用していません。ただし,専攻建築士の更新までに特別認定講座等の受講を必須とする意見もあり,これらについて検討中です。 Q8 専攻建築士制度により建築士の専門性を社会に明示するといいますが,具体的にはどのような方策を考えていますか? A8 現在は,本会ホームページで専攻建築士やCPD制度への参加者のデータ登録状況を公開しています。また,支部活動などに活用できるよう市民向けのパンフレットも用意しています。建築士会連合会では,記者会見や国土交通省への説明など,普及活動に取り組んでいます。 しかし,このような制度は,一過性のものではなく,一定のレベル以上である裏付が実績により証明された建築士が顕在化し,その活躍が社会から認められ,高く評価されるという繰り返しにより定着していくものではないでしょうか。 そのためには,CPD制度への参加者や専攻建築士が増えないことには始まりません。建築士会の会員が協力しながら,会員を応援しようとする制度ですから,多くの会員が専攻建築士になり日頃の業務で大いに活躍して頂きたいと思います。その積み重ねが社会の信頼を得る道具として役立つものと考えています。 Q9 CPD制度の手帳方式は,非常に煩わしいと思うのですが,カードでCPDを登録できるようなシステムにはならないでしょうか? A9 CPD制度は,新たに始めた制度であり,開始時の状況や研修プログラム提供者の実情を踏まえ,もっとも簡便な方法として,現在のようなCPD手帳とバーコードシールを使った方式を採っています。しかし,コンピュータ環境などの進歩やカード化などの改善要望も数多くあることから,磁気カード方式への変更について検討を始めています。ただし,カード方式を採用する場合,「研修会場では必ずカードリーダーとPCの設置が必要」,「自習型研修や実務の単位の取り扱いが困難」,「他団体の研修に単位を付与できない」・・・など,CPD単位を得る機会が減ってしまうと言うCPD制度の存続に関わる問題点を抱えているのも事実で,一気に踏み切ることができない状況であることをご理解頂きたいと思います。 Q10 建築・設備関連の団体がCPD実績の統合管理を行い,地方公共団体へデータを提供することについて新聞等で報道がありましたが,どのような状況ですか? A10 建築CPD情報提供制度は,建築士会や建築家協会,建築業協会などをはじめとする建築・設備関連11団体のほか国土交通省からも委員に加わり,それぞれの団体のCPDの成果に互換性を持たせ社会のニーズに応えようと検討を進めているもので,公共工事の設計者選定や入札参加資格審査,一般消費者が建築士を選択する際の公開データなど汎用性の高いものとしていく考えです。 既に建築CPD情報提供制度を活用しようと意向を示している県があることから,できるだけ早期の運用開始を目指しているところです。 |